COIMBRA
政治のリスボン、商業のポルトに次ぐ、コインブラはポルトガル第三の都市。
ここの見所はコインブラ大学。しかし第三の都市だというのに、全ての規模がとても小さい。森さん風にいうと、ちゃいちい。とても、ちゃいちい。
大学があるので若い大学生のイケメンが沢山いるのかと密かな期待を抱いていたのに、見渡しても街にいるのはおじさんばかりだ。しかもとても年配の。そういやぁ、ポルトガルに来て、とてもファッショナブルで素敵な若者を一度も見ていない。
この最後の写真で思い出した。ここの街でお土産屋に入った時、くるくる回る四面の什器についていたマグネットを眺めようと私がくるっと一回転させたら、マグネットの陶器でできたモチーフが床に落ちて、パリンと割れた。元々マグネットと本体が取れていたようで、私は触れていないのだ。私は正直にそれを店員に告白して、
私は買うべきか?でも私の過失ではないはずだ。結果こうなってしまったのは謝る。ごめんなさい。でも買わない。
と訴えたら、店員は、
あなたのその大きなカメラに当たったから割れたんだ。買うのは当然じゃないか。
と言われた。
いや、それはおかしい。当たってない。というより、あなたはその現場を見ていないじゃないか。元々取れていた。だから買わない。
いや、そんなわけはない。あんたのその鞄にあたったのよ。買え。
さっきはカメラと言ったくせに、今度は鞄?あたっていない。買わない。
いいや、買え。
としばらく討論をしていたら、たまたま観光しているポルトガル人が落とした瞬間を見ていてくれて、ポルトガル語でバババババーっと説明してくれ助けてくれた。今思えば、醜い女の論争を見兼ねた上での事だったのかもしれない。
店員は、最後に
あ、そうだったの。私は見ていなかったからわからない。
とあっさり言った。
私はその後、マグネットとは全く関係のないポストカードをこのお店で買った。
少し後ろめたい気持ちもあったが、気をつかったわけではない。本当に欲しかったからだ。私は自分の事を、謙虚の振りしていい人ぶり 言いたい事も勇気がなくて言えない人 だと客観視しているが、いつの間にか強くなった。ちなみにこの日は私の30回目の誕生日。オバハン化ではなく、言いたい事をはっきりと言える、脱・ビビリの勇敢な女性になったんだと信じたい。
★
No comments:
Post a Comment